「ギリシャのデフォルト&ユーロ圏離脱でどうなる豪州金融?」を分かりやすく解説

ギリシャのユーロ圏離脱が世界恐慌を招く!?

ギリシャのデフォルトが2015年6月29日、いよいよ確実かという報道が世界を駆け巡った。ギリシャ国内では預金封鎖、銀行閉鎖が同時に行われ、異常な混乱が起きているという。

ギリシャのデフォルト(債務不履行)は、そもそも多額の借金があることを隠したままユーロに入り、それがバレると借金を返すためにユーロを利用し、返すためにさらに借金を重ねていたというのが話の大筋だ。


↑銀行に行列をなすアテネ市民の様子

ユーロからの融資額約72億ユーロ(約9700億円)とIMFに対する債務15億ユーロ(約2000億円)という膨大な借金を貯め込んでしまい、借金を返せる目処もなく、融資を続けてきたドイツやフランスはついに愛想を尽かし、支援をストップすることにした。

これにより、ギリシャの債務不履行は確実となり、ギリシャ国内ではATMの利用制限と銀行が休業するなど金融機関がマヒ状態となっている。

このギリシャのデフォルトが大きく取りざたされた29日、日経平均が596円安の2万109円と急落するなど、ヨーロッパのみならず世界中に悪影響を及ぼしそうな気配だという。

ギリシャのユーロ圏離脱で日本およびEU諸国への影響は?

ギリシャ・チプラス首相
「返済は不可能」と宣言し、首都アテネの公共交通機関を無料にすると突然発表した、意味不明な政策を取るチプラス首相

 

さて、ではギリシャのデフォルトは確実として、その後のシナリオがどうなるかと言えばこうだ。

このまま行けば、7月28日にIMFがギリシャの債務不履行(デフォルト)を宣言する。そして、可能性は低いとされてはいるが、事実上はかなり可能性があるとも言われている「ユーロ圏離脱」、いわゆる「GREXIT」へと進むということだ。

GREXITによる最大の影響は通貨「ユーロ」の信頼が揺らぐことだ。

ユーロはそもそも1999年に発行された、米ドルに対抗する基軸通貨を目指した通貨。

これまで米ドルよりも高い値を維持してきたが、2010年のギリシャ問題に端を発し、スペイン、ポルトガル、イタリアと債務危機国の存在が明るみになり、その信頼性に大きな影を落とした。

そこで、本当にギリシャがデフォルトになったら、スペインやポルトガルもデフォルトに向かうのではないかという懸念が広まり、引いてはユーロ全体が信頼を失うというのが、ギリシャのGREXITによる一番懸念されている影響だ。

しかし、全国銀行協会の佐藤康博会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は「ギリシャのリスクが直接的に日本の金融、あるいは金融システムに及ぶということはないと思う」と楽観的な見方を示している。

では、オーストラリアの場合はどうか?

ギリシャのデフォルトとユーロ圏離脱における豪州金融への影響は?

ニュージーランドとオーストラリアの証券取引所は世界で一番早く取引が開始される市場であるため、ギリシャのデフォルト問題が報道されて、一番早いリアクトがあった市場でもある。

6月29日、月曜日の早朝には早くも反応があり、取引開始からわずか1時間で2%も急落した。

これはつまり、1時間で350億ドル(3兆3000億円)が消失したことになる。そして、このことは、過去2、3年で最悪の数字だったという。

オーストラリア市場での反応は、その後、東京、上海、ニューヨーク、ロンドンと伝播していくため、その動きが非常に注目されている。そのため、シドニー市場の動きが、日本にいるデイトレーダーや機関投資家に大きな影響を与え、今回の急落につながったと言ってよい。

ギリシャ国債の歳入と格付けの推移
過去6年間におけるギリシャ国債の歳入と格付けの推移。

こう考えると、やはりギリシャ危機は今後かなりの影響を与えていくのだろうか?

Elizabeth Knightしかし、「ギリシャ危機の影響はほとんどない」と断言するのはコラムニストのエリザベス・ナイト氏だ。

ナイト氏によれば、豪州のギリシャ国債を保有する個人投資家のほとんどはすでにギリシャ債を手放している。また、ジョン・ホッキー財務省は「ギリシャのユーロ圏離脱において、オーストラリアは別段不利な立場にない」と語っており、影響は軽微なものとしか考えられないという。

そもそも、オーストラリアとギリシャとの貿易関係はごくわずかなもので、オリーブと観光くらいのものだ。

また、ギリシャはユーロ圏離脱というカードを出すには時期尚早であるので、離脱しないのではないか、仮に離脱してもオーストラリアへのインパクトは津波ではなく、さざ波程度だというのがナイト氏の考え方だ。

ken howardしかしながら、モルガンズのアナリスト、ケン・ハワード氏によれば「オーストラリアはギリシャのデフォルトにより中国市場により一層の注意が必要となった」と警告している。

6月29日、上海総合指数が一時7.6%も下落、大引けでも前週末比-3.3%の下落となった。6月中旬から下落を続ける上海株の暴落は「いよいよ中国経済バブル崩壊か」とまで噂されている。

そんな状況下でのギリシャのデフォルトが起きれば、中国経済にとっては大打撃ともなりかねないのだ。

そこから、上海株の暴落が続けば、世界市場への影響は計り知れない。ギリシャのデフォルトがその引き金となる可能性は有り得るというのが、ハワード氏の見立てだ。

このように相対的に見てみると、やはり、現在のギリシャの財政破綻はどう考えても少なからず、世界経済に影響を与えそうだ。

ドイツやフランスはユーロから離脱されてもそれほど大きな影響はないと考えているようだが、投資家の動きは実際に問題に直面してみないと分からない。

中国株を含めて、いすれもまだまだ予断を許さない状況ということには変わりなさそうだ。

そういう中で、オーストラリアも含め、世界的に安定している金融商品やはり「金」ということか。


やっぱ庶民は株より金!


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