一世を風靡したローラブルハットは今年も健在
創業30周年を迎えた「ヘレン カミンスキー」のクリスマスシーズンコレクションが12月10日にようやく日本で発表になったと、日本のファッション・サイト「Fashionsnap.com」が伝えている。
とはいえ、すでにクリスマスまで残すところ2週間、こんな遅くにクリスマスシーズンのアイテムを発表していてはたして売れ行きにつながるのだろうか?
ヘレン カミンスキーといえば、巻いてたためる「ローラブルハット」(写真は一例であり、クリスマスシーズンのコレクションではない)で一躍世界的ブランドになったオーストラリア発のファッションブランドだ。
↑ ヘレンカミンスキーを有名にしたローラブルハット(写真クリックで購入画面に)
上品かつ機能的な帽子とバッグはセレブの間でも根強い人気を誇り、日本では六本木ヒルズにフラッグシップを構えるほか、京都と福岡に直営店を持つ海外ブランドとして知名度も高い。
絶対にブレないクラフトマンシップが新しい伝統を作る
さて、そんな世界的ブランドのクリスマスシーズンコレクションの発表が遅れに遅れたのには、どのような理由があったのだろうか?
実は、「クリスマスシーズンコレクション」と銘打たれたラインナップは、本家であるヘレンカミンスキー・オーストラリアで3ヶ月ほど前に発表されている「秋冬2013ラインナップ」(ページトップの動画)とほぼ同様のようだ。
改めてわざわざ、「クリスマスシーズンコレクション」とプロモーションするのは、どうやら思ったよりも販促が日本で行き届いていないという事情があるようだ。
そもそも、ヘレンカミンスキーが日本で人気が出たのが「プロヴァンス」シリーズと呼ばれる帽子。
プロヴァンスシリーズは、ラフィアと呼ばれるマダガスカル産のやしの木の葉という自然素材を使用し、優しさ、暖かさを感じさせるナチュラルなデザインで、ヘレンカミンスキーのブレイクの発端を担ったシリーズだ。
創業者であるヘレン・カミンスキーは、この自然素材の使用と伝統的な手工芸の製法を徹底して守り抜いてる。
そのため、ある意味販促やプロモーションは遅れがちだ。
この創業者の想いがどう伝えられているのかは、日本のオンラインストアのブログと本家オーストラリアのブログを比較すればよくわかる。
日本

オーストラリア

販売促進よりもひとつひとつの“作品”にコンセントレイトするクラフトマンシップがこのブランドの最大の特長でありながら、日本のサイトではどうも「買って、買って」という意識が強すぎるのではないだろうか。
そのため、このクリスマス時期に来ても、なかなか売り上げが伸びずにファッション通信サイトに記事を流したという構図が考えられる。
アシュリー・オルセンや二コール・キッドマンら世界のセレブも使用する「ヘレンカミンスキー」ブランドを好む人たちは、このクラフトマンシップに惹かれているわけで、日本のこうしたプッシュ型の販促は正直逆効果だろう。本家のようにひたすら製作者の想いを伝えることが大事だ。
わずか30年で、北米、ヨーロッパ、アジアでそのブランド力を確立したヘレンカミンスキー。
もし、あなたが彼女らのクラフトマンシップを信じてヘレンカミンスキーのアイテムを購入しようと思うのならば、本家オーストラリアのプロモーションにも目を向けてほしい。本当の“オススメ”がきっと見つかるはずだ。
Helen Kaminski Australia – Blog
http://www.helenkaminski.com.au/blogau/
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