少年野球(9歳~16歳)のバットの正しい選び方&買い方 ー海外在住者向け
私事で恐縮ですが、息子がオーストラリアで野球を始めて約5年が経ち、その経験でこの記事を書かせていただいています。
海外在住のお子さんが少年野球を始めた際、バットの選び方が難しすぎるという意見をよく聞きます。
バットの選び方は体格や筋力などによって人それぞれですから仕方ありません。
僕の息子もオーストラリアで野球をしていますが、バット選びは毎回とても時間がかかります。
アメリカでは6~16歳の少年野球における競技人口が約1600万人以上と言われ、野球はアメリカ最大の人気スポーツです。
しかし、アメリカと違ってオーストラリアでは野球はマイナースポーツ(競技別人口は約12位。日本でいうところの剣道くらいの人気)。
そのため、野球専門店が非常に少なく、大手スポーツ用品店に行っても、クリケットやサッカー、バスケに押しやられ、野球用品はほとんどお目にかかることができません。
また、野球の道具は複雑で、グローブだけでも、キャッチャー/ファースト・ミット、内野手用、外野手用、投手用、オールラウンドとさまざまな種類があります。
バットも木製、金属だけじゃなく、重心の位置などで長距離ヒッター向け、アベレージヒッター向けとさまざまな種類があります。
スパイク(クリーツ)も、リトルリーグでは金具スパイクが禁止など、道具選びにはけっこう気を使います。
中でも選ぶのが難しいのがバットです。
長さや重さがしっくりこないと、なかなか良いスイングができず、結果が出にくかったりします。
また、海外と日本では子どもの体格差が大きく、周囲だけの情報を鵜呑みにすると、日本人に合わず失敗しやすい場合もあります。
そこで本記事では、海外で少年野球を始める前に知っておきたいバットの選び方と買い方について紹介します。
※対象年齢は9歳~16歳くらいまで
海外の公式戦では日本のバットは使えない?
日本の高校野球などで使用されている金属バットは高反発でよく飛ぶのですが、海外の公式戦では、日本製の金属バットは使用できません。
日本の金属バットと使い続けていると、海外では打てなくなるかもしれないので注意です。
例えば2018年、U18(高校野球)の国際大会では木製バットが使用され、日本選手があまり打てないことが話題になりました。
リトルリーグでは現在、全世界共通でUSAロゴのバットの使用が定められています。
以降、MIZUNOやZETT、SSKといった日本で人気のメーカー製バットはほぼ見なくなり、以下の米国3社で埋められています。
- イーストン(EASTON)
- ディマリニ(DeMarini)
- ルイスビルスラッガー(Louisville Slugger)
⇑ 日本では人気のMIZUNO製のバットもUSAマークがなければ、海外の試合では使用できません。
オーストラリアの少年野球バットの規則
オーストラリアにおける少年野球のバット規則は日本同様、アメリカに準じています。
リトルリーグを含め、どの世代においても海外では米国が基準となっていますが、各国独自のルールを追加している場合もあります。
ここではオーストラリアのバット・ルールについて紹介します。
オーストラリア野球連盟によれば、リトルリーグのバットは、
リトルリーグが採用しているUSAベースボールバット規格(USABat)に適合したバットでなければならない。滑らかで丸みを帯びた棒状のもので、木材または素材と色をテストし、USAベースボールバット規格(USABat)に適合することが証明されたものでなければならない。
とあります。
このように試合で使用できるバットは世代別で違ってくるので、どんなバットを買えばいいのかわからない!という親御さんは多いのではないでしょうか?
それでは、リーグ別(世代別)に紹介していきます。
リトルリーグ(マイナー/メジャー・12歳以下)
- 長さが33インチ以下
- 直径が2+5/8インチ以下であること。
- 木製の場合は最小部分の直径が15/16インチ(約5cm)以下(長さ30インチ以下のバットは7/8インチ以下)
- いわゆるグリップ部分にテープなどを巻きつける場合、その長さ16インチ以下
- 木製の場合は「1本の木からできたバット」ならばUSABaseballのロゴを必要としません。つまり、「木片の接合バット」、「竹の接合バット」および「圧縮バット」は使用できません。
バットの直径(diameter)はどう図る?
バットの直径の図り方がわからないという人でも心配ありません。
USAの規格適合バットには必ず、ロゴと同様直径もバット本体にプリントされています。
バットのグリップ付近を確かめてみてください。
インターミディエイト&ジュニアリーグ(13歳&14歳以下)
- 長さが34インチ以下
- 直径が2+5/8インチ以下であること。
- 木製の場合は最小部分の直径が15/16インチ(約5cm)以下(長さ30インチ以下のバットは7/8インチ以下)
- いわゆるグリップ部分にテープなどを巻きつける場合、その長さ18インチ以下
- 木製の場合は「1本の木からできたバット」ならばUSABaseballのロゴを必要としません。つまり、「木片の接合バット」、「竹の接合バット」および「圧縮バット」は使用できません。
インターミディエイトおよびジュニアリーグでは、BBCORのパフォーマンス基準を満たし、シルクスクリーンまたはその他の永久的な認証マークの付いたバットが認められています。認証マークは長方形で、両サイドに最低1/2インチの大きさで、バットのバレルに対照的な色で表示されているものとします。アルミニウム/合金および複合材のバットには、アルミニウム/合金または複合材であることを示すマークを付けるものとします。このマーキングはシルクスクリーンまたはその他の恒久的な認証マークで、片面に最低1/2インチ、対照的な色のバットのバレルに記載されているものになります。
2020年現在、シニアリーグでは、木製またはBBCORのみとなるので、ジュニアリーグは金属と木製の分かれ目の世代に入ってきます。長く使うなら金属ですが、木製の方が安く買えます。
シニアリーグ(16歳以下)
- USAベースボールバット規格(USABat)の金属バットは使用不可
- 長さが36インチ以下
- 直径が2+5/8インチ以下であること。
- 木製の場合は最小部分の直径が15/16インチ(約5cm)以下(長さ30インチ以下のバットは7/8インチ以下)
- いわゆるグリップ部分にテープなどを巻きつける場合、その長さ18インチ以下
- バットの重量は、バットの長さ+3オンスより軽くすることはできない(例:33インチの長さのバットは30オンス未満の重量にすることはできない)。これをドロップ3(-3と表記)と言います。
- 木製の場合は「1本の木からできたバット」ならばUSABaseballのロゴを必要としません。つまり、「木片の接合バット」、「竹の接合バット」および「圧縮バット」は使用できません。
ドロップ3とは?
金属バットの重量の基準となっているのは、「長さ(インチ)ー重さ(オンス)」です。シニアリーグでは33インチの長さのバットは30オンス未満の重量にすることはできません。つまり一番軽いのは-3(ドロップ3)と表記されているものとなります。
ジュニアリーグ以下で見られるのは、-10(ドロップ10)、-8(ドロップ8)、-5(ドロップ5)です。
体格に合ったバットの選び方
さて、バットのルールはわかったけれども、この世界基準は米国が示したものです。
多くの日本人は、欧米人よりも体格が小さく、体格に合ったバットを選べていない場合があります。
バットが重たいと、スイングが遅くなったり、フォームを崩しやすくなるので、気をつけましょう。
では、体格に合ったバットの選び方はどうすればいいのでしょうか?
以下にポイントを挙げていきたいと思います。
バットの長さを測る方法はいろいろありますが、自分が気持ちよくスイングできるものを選ぶのが一番です。
バットを買う時は、前のバットの長さから一気に2インチ以上は上げないようにしましょう。
そうすることで、スイングを大幅に変えることなく、新しいバットに慣れることができます。
適切な長さのバットを確かめるには、以下を参考にしてください。
実際にバットを触れる場合
① バットを胸に当てて水平にしてみる
- まずバットのグリップエンドを胸に当て、水平にして、手を伸ばして掴んでみます(図右)
- 次にバットを掴んでいる手がバットのバラレル(真芯よりやや下)部分に来ていれば適切な長さです
② バットを立ててグリップエンドを掴んでみる
- バットを右打者なら左手(左打者なら右手)で普通に握って、バットを立ててみてください(図左)
- バットを掴んでいる腕がまっすぐになるかやや曲がるくらいが適切な長さです
※肘が曲がりすぎる(長すぎ)、バットが宙に浮く(短すぎ)ような長さは不適切な長さです。
ネット購入など実際に触れない場合
腕を水平にして、指先を伸ばした長さが適切な長さとなるので、実際に測ってみましょう。
ただし、これらの海外製のバットは海外の子どもたちの体格に合わせて作られているので、日本人の場合は若干、バットの方が2、3センチほど短めのものの方が合うかもしれません。
年齢別のバット長さの目安
ここでは、現地で主流となっている、年齢別のバットの長さについて表にまとめてみました。
年齢 | 8~9歳 | 10~11歳 | 12~13歳 | 14~15歳 | 16~18歳 |
長さ(インチ) | 26"~29" | 28"~30" | 29"~32" | 31"~33" | 32"~34" |
ドロップ | -13.5~-10 | -13~-10 | -10~-8 | -8~-3 | -3 |
こちらは男女ともに12歳くらいから、体格の差が顕著になってきますので、バット選びはお友達のものは参考にならない場合が多々あります。
リーチの長さや筋力などお子さんと相談しながら、慎重に選びましょう。
バットをAmazonで買って大丈夫?
お子さんの適切な長さや重さが分かったら、実際に野球用品店に行って買いに行きたいところです。
しかし、上述の通り、オーストラリアには野球専門店は非常に少ないです。
また、野球用品店を見つけたとしても、品数は日本と比べると非常に少なく、お子さんに合ったバットが見つからないという声もしばしば。
そんな時は、Amazon Globalを利用するのがオススメです。
オーストラリアならAmazon Australiaで海外発送対象商品を探してみましょう。
住所がすでに登録されていれば、海外配送できないものは赤字で表示されるのでわかりやすいです。
ただ、日本のAmazonではなかなかUSAバットが見つからないかもしれません。
オススメに上がってくるのが、ほとんどがSSKやZETTなど、日本製のバットが豊富にあるので、それに埋もれてしまっています。
そういう場合は、記事下段にオススメのバットを選んでみたので、画像をクリックしてください。日本のアマゾンにリンクしています。
さて、Amazonをオススメする理由は以下のとおりです。
- 品数が豊富
- アメリカから直接送ってくれる
- 古いモデルのバットが新品なのに値段が安くなっている
子どものうちは体の成長が早く、ルールの関係もあって、
だいたい2年1度は買い換えることになります。
また、マシン撃ちをすると高価なバットでもすぐに壊れたりする場合もあります。
このような理由から、Amazon Globalで買うのがオススメとなります。
ただし、Amazonで買うと、
①実際に触っていないので、感触が確かめられない。
②アメリカからの輸入がほとんどなので、入手までに時間がかる場合がある。
③たまに写真とは違う、傷がついているなどの不具合がある
というデメリットもあります。
しかし、店舗や実際の商品レンジが少なければ、あとはGumtreeなどのサイトで個人売買することになってしまいます。
そちらのほうがリスクが高いので、感触はなるべく店舗やお友達のものを触らせてもらうなどして、Amazon Globalで購入するのがベターでしょう。
実際に僕が購入した時は、アメリカからの発送にも関わらず、購入からわずか5日で配送されました。
また、配送費用もバット1本で27ドル程度で、なぜか、後日配送料が返金されました?(プライム会員だから?)
各国のAmazon Globalページへのリンクは下記のとおりです。
●日本の方はコチラ
●アメリカの方はコチラ
●オーストラリアの方はコチラ
タイプ別&年齢別おすすめバット
バットのタイプにもいろいろあり、これも選び方が難しいですが、バッターのタイプによって大きく2つに分けることができます。
それは、長距離ヒッタータイプかアベレージヒッタータイプです。
前者は、同年齢の割に体格も大きく力がある子どもの場合に向いています。
「トップバランス」と言って、ヘッドの重心が先の方にあるバットで遠くに飛ばしやすくなります。
ただその分、バットの根本の方が細くなるため、しっかり芯で打たないと空振りの確率が高くなります。
後者は、あまりパワーはないが、コツコツとヒット打っていくようなタイプの選手。
これはいわゆるバラレル(芯)のゾーンが広く、バランスの良いバットになります。
バラレルが広いので三振などが少なくなり、ヒットが増えるメリットがあります。
ただし、振り抜きなどが悪いので、長距離ヒッターには向きません。
また、大きくなってくるとこのタイプは少なくなるため、このタイプのバットに慣れてしまうと、次第に打率が下がる可能性があります。
長距離ヒッタータイプ
リトルリーグ向け
インターミディエイト&ジュニアリーグ向け
シニア・リーグ向け
【アベレージヒッター・タイプ】
リトルリーグ向け
インターミディエイト&ジュニアリーグ向け
シニア・リーグ向け
いかがでしたか?
オーストラリアの少年野球界では、世界ランク1位(2020年)の日本で野球を習ったことのある日本人選手が活躍することはよくある光景です
子どもたちの可能性をより伸ばすためにも、適切な道具選びをしたいですよね。
上記に示した以外にまだまだ、いろいろなバットがありますが、オーストラリアの野球に携わって約5年の筆者が選ぶとすれば、この6本でした。
※品切れなどで正しいリンクになっていない場合はごめんなさい!
あまり高価なバットを持っていても米国製のバットは日本製よりも壊れやすいので、大事に使ってくださいね。
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