グラミー賞受賞歌手・ゴティエの“政党旗揚げ”で見える日本と豪州のタレント議員の格差
2013年、世界中で大ヒットしたシングル『Somebody That I Used to Know』(上記動画参照)でグラミー賞最優秀レコード賞、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞し、アルバム『Making Mirrors』(左記画像)が最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を獲得した、オーストラリア・メルボルン在住のシンガーソングライター・ゴティエ。
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そのゴティエがこのほど、自身が参加し、地元メルボルンを拠点に活動するバンド「ザ・ベーシックス」のメンバーとともに政党を立ち上げると発表、11月29日に行われるヴィクトリア州選挙に立候補することを表明した。[/three_fourth_last]
ゴティエが旗揚げする新党の党名は、バンド名をそのまま配し、
「ザ・ベーシックス・ロックンロール党(the Basics Rock’n’Roll Party:BRRP)」となる模様だ。
一見、ふざけた感じのする党名だが、新党結成にはオーストラリアの政治に一石を投じたいというゴティエの並々ならぬ思いが表されているという。
AAP通信によれば、ゴティエは新党結成の動機を以下のように語っている(参考記事)
この国では、政治がまるでエリートのためのもののように扱われている。だいたいが富裕層の出身者で、世襲的に議員になっている人ばかりで、政治以外の社会経験がまるでない
エリートだけが物事を決めるべきではなく、時にはミュージシャンが物事を決めてもいい。
僕たちは政治的なイデオロギーにまみれてたりしないし、僕たちはメンバー3人とも大学の学位(ゴティエはメルボルン大学出身)もあるから、ただただミュージシャンというわけでもない。僕たちは、オーストラリア固有の問題(移民政策など)や教育問題について取り組んでいきたいと考えている
なお、オーストラリアでは選挙への投票が義務付けられており、投票しない場合は罰金が科されるので、投票率は毎回90%を超える。ただし、市民権がなければ外国人は選挙に参加ができない。
日本のタレント議員とは一線を画すゴティエの政策目標
新党BRRPでは、「改革」「教育」「ロックンロール」を3本柱に以下のようなことを政策目標に掲げるという。
- 地元ヴィクトリア州の各学校で郷土文化教育の普及
- 高校における救急処置訓練の義務化
- 地方や僻地に住む住民に対する音楽教育の普及
日本ではしばしば「タレント議員」への批判が見受けられるが、ゴティエの発言と日本のタレント議員を比較すると、
日本のタレント議員がいかに能動的でないかが分かる。
例えば、
日本のタレント議員の場合は出馬の動機のほとんどが「主要政党からの要請によるもの」だ。
また、
ほとんどのタレント議員が自ら政党を立ち上げたり、政策を具体的に主張したりすることがない。
タレントという職業柄、イメージが偏ることを避け、イメージの偏りを政党のせいにしたいという思惑があるのだろうが、それこそがまさに日本のタレント議員が「票寄せパンダ」にしか機能しないという原因の1つである。
このように有名人が自ら政党を立ち上げ、政策を掲げ行動をしたのは、近年では、橋下徹大阪市長(日本維新の会)とアントニオ猪木参議院議員(スポーツ平和党)くらいと言えるだろうか。
オーストラリアを代表するアーティストであるゴティエの今回の表明は、日本に置き換えれば、サザンオールスターズの桑田佳祐が東京都知事選に立候補するくらいのインパクトがあるといえる。
さて、新党BRRPは現在、立候補者擁立のための政党要件となる500人の党員を集めるべくFacebookページでキャンペーンを行っている。以下に紹介しておくので応援したい人はシェアしよう。
The BaiscsのFacebookページ
ゴティエのFacebookページ
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