日本では人気凋落のK-POP、海外の評価はJ-POPより断然格上の理由
韓国に偏りすぎなポップアジアという音楽番組
オーストラリアに移住してきたなら、確実におさえておきたいTV局がある。 多国籍チャンネル「SBS」だ。
多民族国家であるオーストラリアでは、SBSというテレビ局の存在は欠かせないだろう。
各国の現地ニュース番組、世界各国の映画やバラエティー番組を視聴できる貴重な存在で、日本のバラエティー番組もちょくちょく放映されている。
また、「NHKニュース7」は毎日放送され(半日遅れ)ているので、日本のニュースも映像でキャッチアップできる。
さて、そんなSBSがここ1年ほどプッシュしている音楽番組が「POP ASIA」だ。
各国の最新ポップチューンをPVとともにノンストップでかけまくるこの番組、「POP ASIA」というだけあって、さまざまなアジア各国の音楽が楽しめるのかと思いきや、9割方がK-POPというあまりにも韓国に偏重した番組なのだ。
↑K-POPを代表するBIGBANG、2NE1、少女時代あたりは別格の扱いとなっている
POP ASIAで健闘する日本勢はきゃりー&Perfume
仮にこの番組が、本当にアジアの人気ポップシーンを公平に切り取っているとしたら、アジアのポップミュージック・シーンは韓国のアーティストに牛耳られているということになる。
なにせ露出量がハンパない上に、公式Youtubeチャンネルの再生回数を見れば一目瞭然で、 はっきり言って、
K-POP強し!
なのである。
日本勢でがんばっているのは、きゃりーぱみゅぱみゅとPerfumeくらいだろうか。
日本では絶大な人気を誇るAKB48だが、海外に出ればほとんど見向きもされないということか。 親日国家のオーストラリアでも、ほとんどオンエアに乗らない。
↑再生回数がわずかの1000回台。。。日本では考えられないが、これが現実
国家戦略として売り込まれていくK-POP
さて、そんなPOP ASIAでは現在、年末恒例ともいうべきPOP ASIA AWARDの投票を募集している。
注目はやはり「ベスト女性グループ」だろう。
日本からはAKB48とPerfumeがノミネートされているが、投票サイトのコメント(写真)の通り、「S.O.S」か「少女時代」で決まりだろう。
そんなにK-POPって凄いの!? と、思う人は一度、彼女らのPVを見ることをお勧めするが、個人的にはK-POPが凄いレベルだとは思わない(ただし、日本人アーティストよりも平均的な歌唱力は上だと思う)。
では、なぜK-POPはそんなに人気なのかといえば、K-POPの世界的な売り込みは“国家戦略”として確立しているだからだ。
韓国政府は「韓流文化振興団」を立ち上げ国を挙げて、K-POPの輸出を世界で行っており、東南アジア諸国ではK-POPは、J-POPよりもはるかに人気が高いというのが現状だ。 そ
のため、PSYのような「世界的一発屋」が現れても不思議ではなく、11月7日に行われた「Youtube Music Award」で少女時代が「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」を受賞したというのもうなずける(ただし、本国アメリカでの反応は非常に冷ややかだったが)。
とはいえ、早い話が金で買ったとも言えなくはない。 そういう意味では、きゃりーぱみゅぱみゅがフランスで話題になろうとも、AKB48が東南アジアで姉妹グループを作ろうとも、むしろ日本のポップスという捉え方は海外では誰もしないので「J-POPって何?」というのが世界の常識だ。
ある意味、きゃりーぱみゅぱみゅのように自然発生的にブームを作れる「個の力」は、圧倒的に日本のアーティストの方が強いと言えるだろう。
日本での凋落が顕著なK-POPはサムスン的だ
そんなK-POPも日本では一時期流行したが、残念ながら今では下火のようで、日本のメディアはあまり見かけなくなったようだ。 そこで、「少女時代」と「嵐」を、Googleトレンドで比較してみた。
↑アイドルらしく3年で人気は下火に 上の写真の通り、少女時代は2010年夏から急激に検索数を上げ、2011年6月にピークを迎える。しかし、その後は新しいグループの登場など飽和状態になったせいもあってか、2013年にはピーク時の3分の1の検索数となっている。
そして、これに「嵐」の検索トレンドを合わせてみると、その人気の高さは一目瞭然。 恐るべし、嵐の安定感!
↑年を追うごとに注目されている嵐はやはり日本を代表するアイドルに成長したことが分かる。
そして、特に注目してほしいのはAとかBとかCとかの記号の部分。
これは、ニュースのヘッドラインに登場したことを表すもので、少女時代は2012年夏ごろから頻繁にメディアのヘッドラインに登場するが、検索数は右肩下がりだ。 特に2012年夏以降、マスコミに度々登場している(させている)にもかかわらず、トレンドは下落の一途で、つまり少女時代は“オワコン”なのではないかと予想されるのだ。
一方、嵐はマスコミで取り上げられようがられまいが、関係なく右肩上がりで注目されているということになる。 とはいえ、日本でブームが去ってもK-POPとしては、日本で言われているような痛手はないのではないか。
事実、POP ASIAなどの番組で人気を牛耳っているのだから、あえて日本市場で勝負する必要はないのであって、K-POPとJ-POPを比較するのは日本人だけである。
このひたすらグローバル戦略を推し進めるK-POPの戦略は、デジタル業界で世界を席巻してきた「サムスン」の戦略にも似ている。 韓国の戦略はとにかく短期で売り切る。
成長や長期計画はもとからあまり考えていないというのがコンセプト。BOAを見れば分かるだろう。 ただ、PSYの「Gangnam Style」は確かに揶揄される点も多かっただろうが、実際に巨額の利益を出したのは事実で、「K-POP」という形で世界にアピールできたのも事実だ。
日本のアーティストは個々に世界的なアーティストが登場するが、日本のポピュラーミュージックをCool Japanや寿司のように、世界に定着させようとはしていない(やり方次第では、非常に認めてもらいやすいとは思うのだが)。
そういう意味では、世界的に見ればK-POPの方がJ-POPよりも断然に格上というのは否めないのである。 そんなアジアのポップミュージックシーンをリアルタイムで感じたいなら「POP ASIA」を見てみよう。
http://www.sbs.com.au/popasia/
そうなの?
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