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「英検」「TOEIC」が海外移住・海外就職に役に立たないといわれる本当の理由

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公益財団法人日本英語検定協会とオーストラリア大使館マーケティング事務所は2014年10月3日、日本人学生の海外留学促進を目的とする「コラボレーションアグリーメント」について締結した。

このコラボレーションでは、セミナー、ワークショップといったイベントの開催のほか、ウェブサイトなどを活用してオーストラリア留学をPRするなどの活動が行われるほか、全国の中学校、高等学校への招致活動などが予定されている。

また、今回の提携によって、中高生のオーストラリア留学のチャンスが拡大され、日本の中学3年生および高校生は「英検準2級以上」を取得すれば、豪州への留学資格を手に入れることとなり、その数はおよそ15万人になるという。

とはいえ、「英検準2級」の英語レベルで現地校の授業についていけるのか、はたまた、日本の学生向けの専用プログラムがあったとして、それが真の留学と言えるのかどうかという点については甚だ疑問が残るところだ。

「英検」「TOEIC」が日本で人気の理由

learn_english日本で英語の資格と言えば、「実用英語検定」と「TOEIC」が圧倒的な人気を誇っている。

2013年度の受験者数は、TOEICが過去最高の約236万1000人、英検が235万5718人。英語力の必要性を感じている人が多いせいか、年々受験者数は増えている。

さて、なぜこの2つの英語資格が人気かと言えば、以下のような日本国内の状況が考えられる。

英検は受験者の8割近くが中高生で、私立中学・高校の入試、または大学や専門学校などの「AO入試」などに広く活用されており、入試における内申点加算や英語科目の単位認定を認めている学校は1784校にも上る。

また、TOEICは特に大学生~社会人に人気が高い。これは69.3%の企業が採用時にTOEICスコアを参考にしているためだと考えられる。

「英検」「TOEIC」は外資系や海外就職ではほぼ役に立たない?

このように、日本国内では非常に実用性の高い英語資格である「英検」「TOEIC」だが、海外に出れば、残念ながら役に立たないと実感する人が多いようだ。

「世界に通用する資格」という点については、日本英語検定協会国際ビジネスコミュニケーション協会ともに強調しているところだが、

実際のところ、欧米では就職、進学、留学においてほぼ認知されていないというのが実情だろう。

例えば、「TOEICを積極的に採用しているのは日本と韓国の企業だけ」という指摘は多い。

英検は、上記のように「日本の中高生のための英語資格」という側面があり、日本国内でしか通用しないのが実情だろう。

現在、世界で最も活用されている英語資格は「IELTS」「TOEFL」「PET Academy」

studentさて、では海外留学や海外就職を本気で取り組む人にとって、ベストな資格は何か?

この答えについて、毎年世界大学ランキングを発表しているイギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds :QS)」が運営しているサイト「TOP UNIVERSITY」にヒントがある。

同サイトでは、世界で最も活用されている英語資格は、

IELTS」「TOEFL」「PET Academy

の3つとしている。

いずれの試験も、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能についての試験があり、いずれもバランス良く高得点を取る必要がある。

例えばIELTSのライティング試験は当然、筆記試験であり、マークシート式ではないため、スペルを書き間違えればそれで減点される。

このように、英検やTOEICとは大きな違いがあり、ハードルの高さもグンと上がるが、その分全体的な英語力評価としては正しいものとなるだろう。

「IELTS」はイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへの海外移住および留学において最も権威のある英語資格として知られている。

「TOEFL」は米国を中心に英語圏の留学において最も活用されている資格だ(TOEFL iBT)。

「PET Academy」は世界最大手の教育メディアであるピアソンによって開発された英語試験で、近年、注目が高まっている留学用の英語資格試験。

このように、日本の英語資格の認識と海外の認識は大きく異なっている。

英語力を武器に日本の企業に就職を目指す人であれば「TOEICや英検でハイスコアを目指せばよい」という風潮があるが、

現在のグローバル時代に必要とされるのは、実際の海外留学経験や就業経験だと言えるため、

これからは英検、TOEICプラスの英語資格の取得が重要となってくると言える。

今回、紹介した各英語資格の教材は日本版のテキストも販売されているので、下記を参考にしてみよう。

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