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MLBへの近道となるか!? 野球留学希望者が知っておくべきオーストラリア野球界の実力

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日本との交流戦が盛んに行われる”冬季”に注目

日本では「ストーブリーグ」がたけなわとあって、プロ野球選手の契約更改が毎日のようにニュースとなっているが、ここオーストラリアでは、サマーシーズンが中盤を迎えている。

日本と季節が真逆のオーストラリアでは現在、日本の選抜チームとオーストラリア各州・都市などのチームとの親善試合などが盛んに行われており、12月2日からJABAシリーズ がスタートした。同シリーズでは、ブリスベン、シドニー、メルボルンなど「オーストラリア野球リーグ」を代表する各球団と日本野球連盟アマチュアリーグ選抜チームが対戦した。


↑12月2日に行われたJABA選抜VSブリスベン・バンデッツの試合は5-4で日本側が勝利したが、最終回に1点差に迫る粘りを見せた

意外と古いオーストラリアの野球史

オーストラリアで「野球」と聞くと、かなりマイナーなスポーツのように思われるが、その歴史は古く、1850年代にアメリカから伝わっており、実は日本の野球の歴史よりも起源は古い。

1888年には、メジャーリーグが世界ツアーを敢行し、オーストラリアも訪問。シドニー、メルボルンなど4か所で試合をしたが、その時には観客が1万人を超えるほどの人気を博した。
しかし、歴史的に見るとオーストラリアではやはり、ラグビーやクリケットなど英国発祥のスポーツが優勢であり, 米国発祥の野球はクリケットと競合しないようクリケット選手のオフシーズンのトレーニング競技という扱いに過ぎなかった。

しかし、現代に入り、アメリカによるベースボール普及活動が功を奏し、「ベースボール」の競技人口は世界で増えていった。そして、オーストラリアでも1989年、ペプシコーラをメインスポンサーとする初のプロリーグが発足。
当初はテレビ中継なども行われ盛り上がりを見せたように見えたが、初年度の観客動員はわずか37万6650人と振るわず、興行的には失敗に終わった。

その後、日の目を見ずに終わるかと思われた2004年、アテネ五輪でオーストラリアが日本を下して決勝に進出。決勝で強豪キューバに惜敗するも銀メダルを獲得。

この五輪での活躍を機に、豪州国内では草の根的にベースボール復興への道が開かれていった。

2010年には再び、プロリーグを設立するべく「Australian Baseball League (ABL) 」が発足。現在は6チームがプロとして運営されている。ただし、プロリーグと言っても日本で言う独立リーグに近い状態となっており、選手らはほぼ全員、別に職業を持っているという状態だ。

世界トップ10にランク。オーストラリア野球の実力やいかに?

2016年3月に発表された世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のランキングによると、日本は世界第2位、オーストラリアは20か国中8位と健闘している。

WBSC野球男子ランキング上位20位(2018.2.22)

 
#チームポイント加盟組織
1アメリカ合衆国の旗 アメリカ5025COPABE
2日本の旗 日本4609BFA
3大韓民国の旗 韓国4158BFA
4キューバの旗 キューバ3152COPABE
5メキシコの旗 メキシコ2613COPABE
6チャイニーズタイペイの旗 台湾2520BFA
7カナダの旗 カナダ2142COPABE
8オーストラリアの旗 オーストラリア2095BCO
9オランダの旗 オランダ2002CEB
10プエルトリコの旗 プエルトリコ1796COPABE
11ベネズエラの旗 ベネズエラ1765COPABE
12ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国1227COPABE
13ニカラグアの旗 ニカラグア1155COPABE
14パナマの旗 パナマ1077COPABE
15イタリアの旗 イタリア1059CEB
16コロンビアの旗 コロンビア949COPABE
17イスラエルの旗 イスラエル817CEB
18チェコの旗 チェコ787CEB
19ブラジルの旗 ブラジル654COPABE
20アルゼンチンの旗 アルゼンチン357COPABE

 

オーストラリア代表チームは2004年のアテネ五輪での銀メダルを獲得して以来、徐々にではあるが野球人口は増えつつあるという。

また、近年では、アジア・オセアニア地域のプロ野球クラブ・チャンピオンを決める国際大会「アジアシリーズ」の2013年台湾大会において、キャンベラ・キャバルリーが優勝するなど、時々、好成績を残すこともある。

 

オーストラリアの高校野球

オーストラリアでは野球はマイナーなスポーツには違いないが、若干ではあるが、オーストラリアにも野球コースを持つハイスクール(中学・高校に相当)がある。
代表的なのはゴールドコースト市にある、州立ロビーナ高校の野球アカデミーだ。同校では毎年、甲子園常連校の浦和学院と親善試合を行うなど日本の学校との交流が深いことで知られている。
 
U-18日本代表の渡邉勇太朗投手とも対戦した2018年の親善試合。
 
ロビーナ高校Baseball Academy

 

運と実力次第でMLBへの近道に?豪州野球留学の道

ゴールドコースト市内にあるクラブチームの施設

上記の写真は市民のクラブチームの施設だ。これを見てもらえれば分かるが、オーストラリアの野球施設や設備は日本に負けず劣らず優良と言える。広大な土地を生かした広い球場が各地域に点在し、プロリーグのからリトルリーグの球場まで、芝生の緑が豊かな球場が数多く作られていることは、実はあまり知られていない。

これには、オーストラリア・ベースボール・リーグ(ABL)がそもそも米国のメジャー・リーグ・ベースボール(MLB)のグローバル化とマーケティングの目的で設立されたという背景がある。

ABLは1989年、MLB75%、豪州政府25%の資本で設立された。

資金・運営面で多くのMLB資本が介入しているABLはつまり、北米以外にできた「 南半球随一のMLBファームリーグ」という側面がある。

これはある意味、メジャーリーグを目指す人にとっての近道になるかもしれない。

なぜならば、通常、日本人がメジャーリーグを目指す場合、

リトルリーグ→高校・大学・社会人などのアマチュア野球→日本のプロ野球→メジャーリーグ

という流れが主流であり、メジャーへ登りつめるには、どの世代でも一流の成績を残すことが必須条件と言えよう。
※マック鈴木のように、単身渡米して這い上がるという例もあるが稀である。

しかしながら、オーストラリアでは野球の競技人口が日本に比べると非常に少ないため、

ナショナル・チームに入れる確率がぐっと高かまる。

また、多国籍国家であるオーストラリアの場合、

ナショナルチームに入るには豪州国籍が必要だが、州代表であれば、必ずしも豪州国籍は必要とされていない(永住権は必要)場合がある。

つまり、14、5歳の日本人選手でも全国大会に出場できる可能性は残されており、

オーストラリアの実力から言えば、日本での野球経験者はかなり有利ということが言える。

※ちなみに、オーストラリアには軟式野球はない。すべて硬式で行われている。

また、クラブチームへの参加は国籍は問われないので、語学留学のついでに参加すれなどして、

大きな大会への足掛かりをつかむことができれば、MLB関係者の目に留まるという可能性も0ではない。

例えば、2014年にマー君こと田中将大投手がメジャーリーグの名門ヤンキースに入団して話題となったが、

オーストラリアでは同時期、17歳のオーストラリア人少年ブランドン・ステンハウス投手がヤンキースと契約したことで話題になっていた。

オーストラリアからメジャーへ。Brandon Stenhouse投手
若干17歳でメジャーへの入団が決まったブランドン・ステンハウス君

ステンハウス投手は、オーストラリア・ビクトリア州のU-18のエースとして活躍し、ヤンキースの豪州担当スカウト、ジョン・ウォズワース氏によって入団が決まった。

現在のところ、オーストラリア出身で現役メジャー選手として活躍しているのは、グラント・バルフォア投手(タンパベイ・レイズ)くらいしかいない。

しかし、物は考えようだ。

確かに、日本のようなレベルの高い環境で野球を学ぶのが正しい道だが、日本のように競技人口が多いと、ちょっとやそっとのレベルではプロのスカウトの目に留まるのは容易ではない。

その点、オーストラリアのリーグであれば、メジャーとのつながりがある上、日本で培った実力があれば、個人的なに好成績を残すことは、それほど難しいことではない可能性がある。

努力次第では、甲子園で全国優勝するよりもオーストラリアでメジャーのスカウトの目に留まる方が確率が高いかもしれないのだ。

もちろん、本人が世界トップレベルの野球技術が必要となるのは言うまでもないが、

とにかく、メディアやスカウトの耳目に入ってこない選手はどれだけ実力があってもプロにはなれない。

オーストラリア・ゴールドコーストの野球教室「Yoshi’s Baseball Coaching」

ゴールドコーストには日本人コーチの野球教室がある。ゴールドコーストの野球教室「Yoshi’s Baseball Coaching」は日本の独立リーグで活躍した福岡良州氏がコーチを務め、小学生から高校生までの少年たちがレベルの高い日本の野球技術を学んでいる。
日本でもなかなか体験できない、プロに匹敵するほどの高い技術を持つ若い指導者から直接指導してもらえるという機会は、なかなかないだろう。
 

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実力はあるのに、不運にも芽が出なかった日本の野球選手の場合、オーストラリアで活躍できるチャンスは十分にあると言えよう。そういう意味でも、オーストラリア留学も1つの視野として入れてみるのも面白いかもしれない。

 


これが世界標準。日本の金属バットはインチキレベルに飛びすぎ!

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