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塩サバ定食が2500円!?「やよい軒 シドニー店」の料金設定はクレイジーなのか?

日本全国に展開する定食チェーンの「やよい軒」が6月にシドニー店をオープンしてから1ヶ月が経った。

シドニーの一等地に高級志向を前面に押し出した店構えとなっており、「プレミアムな定食屋」という認知的不協和的なコンセプトが、シドニーのビジネスパーソンたちに異彩を放っているという。

レストランレビューサイト「Urbanspoon」では、評価が「3.5星」、「73% Like」となかなかの好評を得ているようだ。

やよい軒 Urbanspoonでの評価

また、開店直後に掲載された朝日新聞デジタルの記事によれば、

「和食の魅力とともに日本の文化も伝えたい」(広報)と店内にギャラリースペースを設け、熊本県の窯元でつくられた器を展示している。

と、安倍政権発足以降、顕著になってきている「日本の食文化」のアピールにも一役買っているようにも思える。

 

世界で最も高級な定食屋の誕生

とはいえ、このシドニー店、日本の「やよい軒」とは明らかに値段設定が異なっており、日本人にとっては異常なまでにハードルの高い定食屋となっている。

サバの塩焼き定食がなんと2500円
サバの塩焼き定食がなんと2500円

 

サバの塩焼き定食が、26ドル(約2500円)だぁぁっ ??????

 

と、驚くのも無理はない。なにせ日本なら、内容は異なるものの、わずか「590円」の定食だからだ。
おそらく世界で最も高価な“サバ定”がこれだろう。

2500円サバ定の秘密を庶民レベルでチェック

 

いくらオーストラリアが強烈なインフレ状況にあるからと言って、いくらなんでも高すぎる!

とはいえ、店には店の事情もあるのかもしれない。

そこで、「なにがそんなに定食の価格を押し上げているのか」という疑問がわいてくるわけだが、小難しいことはなるべく分かりやすく解説することがモットーの「Select Australia」。

この疑問について、レストランの3大コストである「賃料」「人件費」「材料費」の観点から日本と比較してみた。

1.店舗リース料は東京・銀座並み?

まずは、「賃料」。
下の画像は、東京・銀座の店舗リース広告(at homeより)と「YAYOI」が立地する近辺のリース広告(RealCommercial.com.auより)とをほぼ同じ広さの店舗で比べてみたものだが、

銀座8丁目

東京・銀座8丁目のリース物件の家賃
東京・銀座8丁目のリース物件の家賃

シドニー中心部

やよい軒の近くのシドニーの店舗リースの広告
やよい軒の近くのシドニーの店舗リースの広告

これを単純比較してみると、

[銀座8丁目]
月額のリース料は163.29万円で、約278平米なので、1平米当たり月額5,873円となってる。

[シドニー中心部]
詳細データに「Suite 103 – 100 – 270sqm. $650/sqm pa gross.」とあり
月額リース料は、270×650÷12=14625.00ドル(約137万円)。1平米当たり月額約5,000円

とほぼ東京・銀座と同じ程度の家賃ということが言える(あくまで一例だが)。

2.人件費は日本の1.5倍

次に、「人件費」。

最低賃金を国際比較する方法として、OECDの「購買力平価で換算した実質最低賃金(米ドル)」で見てみる。

すると、オーストラリアは世界第3位の10.21ドル、日本は世界第11位で6.61ドルとなっている。

分かりやすく言えば、オーストラリアの賃金は日本の約1.5倍。人件費が約1.5倍もかかるのだ。

実質最低賃金ランキング

順位国名単位(米ドル)
1位 ルクセンブルク10.66
2位 フランス10.63
3位 オーストラリア10.21
8位 イギリス7.88
9位 カナダ7.85
10位 アメリカ7.11
11位 日本6.61
13位 スロベニア6.56
16位 スペイン4.76
26位 メキシコ0.83

※2013年のデータ、対象はOECD諸国を中心に26ヶ国

3. 材料費は日本の2~3倍?

材料費については、仕入先などによってかなり変わってくるので指標を見つけるのは難しいが、「YAYOI」のホームページを見る限り、

ディナータイムにはお客様のデーブルで、お釜を使ってごはんを炊き上げます。

とあるように、食材から器まで、かなり「和」にこだわっているのが分かる。

となれば、かなりの材料を日本から輸入しているはずだ。

ここで、1つの分かりやすい指標として思い浮かぶのが、オーストラリアでも店舗を拡大中の100均の王様「ダイソー」の存在だ。

オーストラリアのダイソーは2.80ドル均一
オーストラリアのダイソーは2.80ドル均一

バナー画像の通り、オーストラリアのダイソーは2.80ドル均一となっていて、単純に日本の2.5倍ほど。

これを鑑みるに、やよい軒の材料費(食材のほか食器なども含める)と、日本で調達する2~3倍の費用がかかっているとも考えられる。

こうして考えてみると、

家賃1x+人件費1.5x+材料費2.5x=4xであり、日本の約4倍もする「サバ定2500円」というのもあながち、ぼったくりではないかもしれないのだ。

オーストラリアでは、日本から進出した外食チェーンの成功例はほとんどなく、シドニーでは、ラーメンブーム以前から根をはった「味千ラーメン」、ステーキをファストフード化した「ペッパーランチ」くらいだろうか。

両チェーン店はもとより、近年人気のラーメン店も、「安くて旨い」というコストパフォーマンス&回転率重視型の飲食店だったわけだが、今回の「やよい軒」は一味違うコンセプトとなっているだけに、今後も日本の外食産業の注目を集めそうだ。


ご参考までに♪

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