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ワーキングホリデーから永住者まで!豪州で稼ぎやすい仕事をエリア別に解説する

ワーキングホリデーに32.5%の所得税課税は本当に大打撃なのか?

年々、その数を減らしつつあると言われている「ワーキングホリデー」に追い打ちをかけるようなニュースが走ったのは5月の半ば。2015年度連邦予算案の一節だ。

その内容を簡潔に説明するとこういうことだ。

これまでワーキングホリデービザで滞在している人は税制上、6ヶ月以上滞在している人は居住者、6か月未満は非居住者として扱われ、それにより税率が違ってきたが、2016年7月1日以降は、法律を変更し、すべてのワーキングホリデーを非居住者とし、所得税の税率はそれに準拠し32.5%となる。

つまり、ワーキングホリデーとして稼いだ収入の約3割が税金として国税局に持って行かれてしまうということ。

このことは、現地メディアや日系メディアなどが大々的に報じ、さらにはSNSで拡散したため、まるで「ワーホリに大打撃!」といった風潮でワーホリ関係者の間で話題となっている。

しかしながら、よくよく考えてみてほしい。

現地大手日本語メディア「日豪プレス」によれば、

居住者扱いであれば、年収1万8,500ドルまで所得税免除、それ以上の場合も、超えた所得額に対して19%の所得税が課せられるだけで、最終的に源泉徴収されていた賃金の還付を受けることができた。

と、かつての制度にはメリットがあったかのように書かれているが、

ワーキングホリデーの人の多くが非居住者扱いでタックスリターン(確定申告)を行っており、上記のような恩恵を受けられるのは少数派だ。

ワーホリ労働者における源泉徴収の税率は「29%」が最も多数で、これまでもほとんどの人が3割の税金を徴収されてきた。

結局のところ、新ルールに変更されても実質は「若干の税率アップ」というだけの話なのだ。

そう、つまりはメディアやSNS上でギャーコラと騒ぐほどのニュースではない。

さて、このようなマイナーなニュースよりも、時期を同じくしてもっとワーキングホリデーの人たちに明るいニュースが流れていたことは、あまり知られていないので、ここに知らせておこう。

ワーキングホリデーメーカーに人気の仕事は将来有望の予測

4月28日に発表された、連邦政府による雇用調査「The 2015 Australian Jobs」に関することは、日系メディアではあまり報道されていないが、むしろこっちの情報を見てもらえれば、ワーキングホリデービザでもっと働きやすくなるよというのが分かっていただけると思う。

この全豪規模の調査発表にはかなりの情報が詰まっているが、その中で今回注目したのは「Occupation Matrix」。

「Occupation Matrix」では、職種別に就業者数や非正規割合、女性割合、就業者の平均年齢などが示されており、同時にそれらの数字が過去5年間でどう変化したのかについて紹介されている。

例えば、2009年~2014年で、最も就業者が増えた職種は、意外にも「一般事務」で、この5年間で91.4%増と約2倍に増えている。しかも女性の割合が85%と高く、女性の社会進出が浮き彫りになっているオーストラリアを象徴する職種ということがわかるのだ。

さて、そんな「Occupation Matrix」には、今後5年間(2019年まで)で雇用の伸びについて5段階評価で予測する「Job Opening」という欄がある。

そこで、今後5年間で雇用の伸びが高い職種の中から、ワーキングホリデーの人が就きやすい職業を以下のように5段階で紹介する。同時にその職種の平均給与も掲載しているので、就業時の参考にしてみてほしい。

ワーキングホリデーの人が狙い目の職業はコレ!

●バーテンダー&バリスタ(有資格者):★★★★★ $$
●カフェワーカー(無資格者を含む):★★★★ $
●キッチンハンド:★★★★★ $
●シェフ:★★★★★ $$
●清掃・クリーナー:★★★★★ $
●建設・配管労働者:★★★★★ $$$
●営業アシスタント:★★★★★ $
●ウェイター・ウェイトレス:★★★★★ $

【雇用者数ランク】
★≤ 5,000増
★★ 5,001 to 10,000増
★★★ 10,001 to 25,000増
★★★★ 25,001 to 50,000増
★★★★★ 50,000増~

【平均週給】
$ :≤ $920
$$ :$921 to $1,050
$$$ :$1,051 to $1,300
$$$$ :$1,301 to $1,700
$$$$$ :$1,700~

このように、ワーキングホリデーメーカーの人に人気な職種の多くが、今後、雇用が増えるという予測がなされているので、じゃんじゃんオーストラリアに来て、海外での就業体験を得てもらいたいものだ。

 

各州ごとの伸長産業と斜陽産業

広大な土地面積を誇るオーストラリアでは、州によって盛んな産業が変わってくる。例えば、タスマニアの牡蠣や南オーストラリアのワインなど特産品を持つエリアでは関連職種が平均的に高い雇用者数を誇る。鉱山業なら西オーストラリア州かクイーンズランド州に行けば仕事があるといった通説もよく言われているところだ。

しかし、実態はどうなのか? このことについては、ワーキングホリデーメーカーでも永住者でもちゃんと調べている人は少ないようだ。

ここでは各州ごとに、過去5年間で雇用が伸びた業界と減った業界について紹介するが、この調査から分かったことは、地域性と関連業種において、これまでのイメージを覆すデータが示されていたということだ。

※ノーザンテリトリーとオーストラリア首都特別地域については、詳細なデータがないので紹介を省く。

NEW SOUTH WALES

NSW豪州最大の都市シドニーを抱えるニューサウスウェールズ州では、やはり、シドニーを中心に長い間続いている不動産バブルの影響から、不動産・建設関連業で雇用が伸びている。一方、全般的に雇用の減りがあまり見受けられず、安定的に雇用を創出しているのがNSW州の特徴と言える。
【雇用が伸びている産業】
●不動産サービス業:31.6%増
●建設業:19.3%増
●教育産業:17.4%増

【雇用が減っている産業】
●鉱山業:15.0%減
●製造業:6.6%減
●電気・ガス・水道事業:5.8%減


VICTORIA

ビクトリア州ビクトリア州はNSW州と同様、不動産バブルの影響を受けて、不動産サービスに関する業種で雇用が急伸している。また、豪州随一の芸術都市・メルボルンを州都にするビクトリア州では芸術関連の産業が盛んなのが特徴だ。
【雇用が伸びている産業】
●不動産サービス業:38.6%増
●行政・安全事業:28.7%増
●芸術・レクリエーションサービス業:18.4%増

【雇用が減っている産業】
●管理サービス関連業:11.2%減
●卸売業:6.3%減
●金融業:4.2%減


QUEENSLAND

クイーンズランド州オーストラリアの中で最も雇用分布の変化が著しいのがクイーンズランド州だ。西オーストラリア州に取って代わるように鉱山業が急伸し、これまで同州の地盤を支えてきた第一次産業が急落している。また、多くの産業で増減の幅が激しいのも特徴。QLD州の産業は今、大きく変わりつつあるというのが分かる。

 

【雇用が伸びている産業】
●鉱山業:58.4%増
●科学技術産業:27.5%増
●健康・社会福祉関連業:22.4%増

【雇用が減っている産業】
●農業・林業・漁業:36.3%減
●卸売業:16.8%減
●製造業:15.2%減


SOUTH AUSTRALIA

南オーストラリア州VIC州の隣なりにある南オーストラリア州(州都アデレード)はメルボルンの傾向に引っ張られるような形で、斜陽産業もVIC州とよく似ている状況のようだ。ただ、鉱山業は全豪屈指の雇用状況となっているので、短期で稼ぎたいガテン系の人には要注目のエリアだと言えよう。

 

【雇用が伸びている産業】
●鉱山業:126.6%増
●芸術・レクリエーションサービス業:46.1%増
●農業・林業・漁業:23.1%増

【雇用が減っている産業】
●卸売業:33.2%減
●製造業:14.3%減
●金融業:11.7%減


WESTERN AUSTRALIA

西オーストラリア州オーストラリアで最も景気が良いと言われるパースを州都に持つ西オーストラリア州は、伸び盛りの業界もオーストラリアの縮図と言える。また、過去5年間で雇用がマイナスに転じたのが下記の2つの産業だけで、あとは軒並み雇用状況がプラスという点も強み。

 

&【雇用が伸びている産業】
●芸術・レクリエーションサービス業:86.0%増
●不動産サービス業:68.5%増
●鉱山業:46.1%増

【雇用が減っている産業】
●情報通信業:18.8%減
●製造業:9.5%減


TASMANIA

西オーストラリア州自然豊かなタスマニア地方において第3次産業の雇用が伸びているというのは、オーストラリアが豊かになってきた証しと言えよう。一方で観光や漁業の凋落というのは非常に悩ましい問題となっている。

 

【雇用が伸びている産業】
●管理サービス関連業:46.9%増
●不動産サービス業:40.0%増
●その他サービス業:34.6%増

【雇用が減っている産業】
●芸術・レクリエーションサービス業:14.9%減
●農業・林業・漁業:13.3%減
●行政・安全事業:10.8%減

このように、州によってかなり雇用状況の特色が異なることが分かっていただけたと思う。
ワーキングホリデーの人も移住可能な永住者の人も現在の雇用のトレンドを見て、今一度、自分が今住んでいるエリアの求職状況を把握しておくと、今後の身の振り方に大きな差が生まれると言えるだろう。

全データ(PDF)
ワーホリはバックパックというイメージも事実ではありません。ほとんどがスーツケース派です♪

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