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後藤健二さんら犠牲者の死を無駄にしないために、海外渡航予定者が今すぐできること

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オーストラリアで頻発するISIS関連の衝撃的な出来事

日本では報道が少なくなってきた自称イスラム国(ISIS)関連の事件だが、当地オーストラリアでは、これまでに100人近いオーストラリア人がISISへの参加目的でシリアへ渡航しているということもあり、現在もなお重大な社会問題となっている。
最近では、デイリー・テレグラフ紙が5月26日に報じたところによれば、シドニー在住の26歳の母親が5月初旬に2人の子供を置き去りにしてシリアへ渡航したという事案が話題となった。

【豪州でのイスラム国関連の衝撃的な事件】

2014年8月11日 ISISのオーストラリア人戦闘員の子供が斬首を持つ写真をTwitterに投稿

 


2014年9月18日 シドニーでテロを計画していた15人を逮捕。800人の警官を動員


2014年12月16日 シドニー市カフェ立て籠もり事件―人質3人が死亡(上記写真も)


2015年4月16日 ISISに参加した25歳のオーストラリア人モデルが戦闘で死亡


2015年3月12日 メルボルンの18歳の少年がイラクの自爆テロに参加か


ここで紹介しているのは重大な事件の一部であり、当地では数えきれないくらいテロ関連の事件が発生しているというのが現状だ。

無論、これはオーストラリアだけではない。これらテロの脅威はフランスのシャルリー・エブド襲撃事件(2015年1月7日)など、世界各国で深刻な事態となっている。

同時に、日本もジャーナリストの後藤健二さんら邦人が殺害されて以来、テロの標的になっているということも忘れてはいけない。

そのような状況の中であるからには、海外に行く人には、これまで以上に安全に留意してもらいたいところだ。

そこで外務省はこのほど、「在外邦人の安全対策強化に係る検討チーム」による提言を発表した。

提言書では、在外邦人に対する安全対策がさまざま提案されているが、今回はその中で、「今すぐできる安全対策」として、いざという時、在外公館などから緊急時情報提供を受けられる海外旅行登録システム「たびレジ」および、4月20日から始まっている、海外滞在中の日本人に対する緊急時の情報提供、安否確認のためのSMSサービスについて紹介する。

緊急時には外務省から携帯電話にメッセージが届くように

外務省は4月20日より外国で緊急事態が起きた際に、登録者の携帯電話にショートメッセージサービス(SMS)に情報提供または安否確認を行うための一斉通報サービスを開始している。テロやクーデター、地震、台風などの緊急時に、SMSで携帯電話に直接情報を配信する。サービスの対象国・地域は以下の通り。

外務省および在外公館からの情報提供:インドネシア、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、中国、香港、フィリピン、米国、ベトナム、マレーシア、台湾

安否確認:オーストラリア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム
となっている。

3か月以内の海外短期滞在を予定しているなら「たびレジ」に登録を

このSMS配信サービスを受けるには、滞在先の在外公館への在留届の提出(滞在期間3カ月以上)、もしくは外務省ホームページの「たびレジ」(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)での登録(滞在期間3カ月以内)が必要となる。

tabireg

海外旅行をする人の場合、海外旅行保険に加入する人は多いが、これらのサービスを利用することはこれまでは少なかった。しかし、保険に入っていても、緊急時の安否確認や情報収集は非常に困難な場合がある。これらのサービスを利用しておくことは、このテロ時代においては必須の作業と考える必要があるだろう。そして、このように安全に留意することが、これまでの犠牲者に対してのせめてもの弔いとなると言えるだろう。


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