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スーパーアニュエーション帰国後の引き出し方と税金|DASP申請ガイド2026

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スーパーアニュエーション帰国後の引き出し方と税金|DASP申請ガイド2026
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ワーホリや学生ビザで働いていた方の給与明細には、スーパーアニュエーション(豪州の退職年金)の積立額が載っていたはずです。このお金は、帰国しても自動では戻ってきません。この記事では、帰国時に引き出す制度「DASP」の対象条件と税率、申請の流れを解説します。放置した場合の「6ヶ月ルール」についても説明します。先に結論を書くと、ビザが失効した一時滞在者なら申請で受け取れます。ただしワーホリ経験者は課税対象部分に一律65%の税金がかかります。出国前に準備を始めておくと、手続きがかなり楽になります。

スーパーアニュエーションは帰国時に自動で戻ってくるわけではない

スーパーアニュエーション(以下スーパー)は、雇用主が給与とは別にスーパーファンドへ積み立てる年金です。雇用主の積立義務率(スーパーギャランティー)は、2025年7月1日から給与の12%になりました。この12%が法定の最終到達率です。

単純計算すると、年間A$40,000の給与なら、1年でA$4,800(約53万円 / 1豪ドル=111.08円換算)が積み立てられることになります。短期滞在でも、決して小さな金額ではありません。

※本記事の円換算は、RBA(オーストラリア準備銀行)が公表した2026年9月25日時点のレート「1豪ドル=111.08円」を使っています。

ところが、帰国すればファンドが自動で送金してくれるわけではありません。自分で「DASP(Departing Australia Superannuation Payment)」を申請して、初めて受け取れる仕組みです。

対象になるのはビザが失効した一時滞在者のみ

DASPを申請できるのは、ワーホリ(417/462ビザ)や学生ビザなどの一時ビザで働いていた方です。一時ビザが失効して豪州を出国していることが前提になります。「帰国予定」の段階ではまだ申請を完了できない点に注意してください。

永住権・市民権を持つ人はDASPの対象外

豪州・ニュージーランドの市民権や、豪州の永住権を持っている方はDASPを使えません。筆者のような永住者は、日本へ本帰国しても原則として受給年齢まで引き出せないのです。この記事は、一時ビザで働いた方に絞って説明します。

そもそもスーパー残高が一般にどのくらいあるのか気になる方は、年齢別の平均額をまとめた記事も参考にしてください。

DASP(帰国時スーパー引き出し)の3つの対象条件

ATO(オーストラリア国税局)が示すDASPの対象条件は、次の3つです。3つすべてを満たす必要があります。

DASPの対象条件

1. 労働可能な一時ビザで働き、スーパーが積み立てられている
2. ビザが失効(またはキャンセル)し、出国していて、他に有効な豪州ビザを持っていない
3. 豪州・ニュージーランドの市民、または豪州の永住者ではない

労働可能なビザで実際に働いていたこと

一時ビザで雇用され、雇用主がスーパーファンドへ積み立てていたことが前提です。給与明細の「Super」欄や、ファンドから届く年次報告書で残高を確認できます。複数の職場で働いた方は、ファンドが複数に分かれていることもよくあります。

ビザが失効し、他に有効なビザを持っていないこと

この条件が一番見落とされやすいところです。出国しても、ビザの有効期限が残っていれば「有効なビザを持っている」扱いになり、申請は完了できません。

期限まで待つか、ビザの取り消しを検討することになります。取り消すと再入国の予定に影響する可能性もあるため、判断の前に内務省(Home Affairs)の公式サイトで最新情報を確認してください。

豪州・NZの市民権・永住権を持っていないこと

一時ビザで働いたあとに永住権を取得した場合は、この条件から外れるためDASPを申請できません。反対に、ワーホリ後に学生ビザへ切り替えた場合などは、最後のビザが失効して出国すれば対象になります。

引き出すと税金がいくら引かれるのか(DASP税率)

DASPで受け取る金額には、源泉徴収で税金がかかります。税率はビザの種類と、残高の「課税済み要素(taxed element)」「未課税要素(untaxed element)」「非課税部分(tax-free component)」の区分で決まります(2026年9月時点)。

区分ワーホリ(417/462)経験者学生ビザなど一般の一時滞在者
課税済み要素(taxed element)65%35%
未課税要素(untaxed element)65%45%
非課税部分(自己拠出分など)0%0%

会社員として普通に積み立てたスーパーは、ほとんどが課税済み要素に入ります。そのため実際には、ワーホリ経験者は65%、それ以外の一時滞在者は35%と考えておくのが現実的です。

ワーキングホリデー(417/462)は一律65%

ワーホリ経験者のDASPは、課税済みか未課税かに関係なく65%です。ATOによると、この税率は2017年7月1日以降に支払われるDASPに適用されています。受け取れるのは残高の約3分の1になるため、帰国前にこの割合を知っておくと予算を立てやすくなります。

なお、一般のスーパー給付には少額なら非課税になる規定があります。しかしDASPにはそのような少額免税ルールはありません。残高が少なくても同じ税率がかかります。

学生ビザなど一般の一時滞在者は35%(未課税要素は45%)

学生ビザや就労ビザなど、ワーホリ以外の一時ビザだけで働いていた方は、課税済み要素が35%、未課税要素が45%です。未課税要素は、一部の公的機関系ファンドなどで発生することがあります。自分の残高の内訳は、ファンドの明細や問い合わせで確認できます。

【シミュレーション】残高別に手元に残る金額を試算

筆者は永住者のためDASPを使ったことがありません。そこで実体験の代わりに、残高別の手取り額を試算しました。全額が課税済み要素だと仮定し、ファンドの手数料や送金コストは含めていません。

スーパー残高ワーホリ経験者(65%課税)学生ビザなど(35%課税)
A$3,000A$1,050(約11.7万円)A$1,950(約21.7万円)
A$5,000A$1,750(約19.4万円)A$3,250(約36.1万円)
A$10,000A$3,500(約38.9万円)A$6,500(約72.2万円)

※円換算は1豪ドル=111.08円(RBA、2026年9月25日)で計算しています。実際の受取額は、ファンドの手数料や保険料の控除、送金時の為替レートによって変わります。

同じA$10,000でも、ワーホリかどうかで手取りに30万円以上の差が出ます。税額の扱いが自分のケースに当てはまるか不安な方は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

DASPの申請方法・必要なもの・タイミング

申請は、ATOの「DASPオンライン申請システム」から行うのが基本です。ATOは、出国前に必要な情報をそろえ、申請の入力を始めておくことを強くすすめています。

出国前に準備しておくべき書類とオンライン申請の流れ

オンライン申請では、TFN(タックスファイルナンバー)、氏名、パスポート情報、生年月日を入力します。TFNを入れると、システムが自分名義のスーパー口座を検索して表示してくれます。TFNを入れない場合は、ファンド名や会員番号などを自分で入力する必要があります。

準備するものポイント
TFN入力するとスーパー口座を自動で検索できる
パスポート情報申請時と同じ情報でないと、後から申請状況を確認できない
スーパーファンドの情報ファンド名・会員番号・加入日。年次明細で確認できる
本人確認書類の認証コピー残高がA$5,000以上だと、ファンドから求められることがある
受取口座の情報豪州の口座を残すか、海外の口座で受けるかを事前に決める

書類の認証(certified copy)は、豪州国内にいるうちのほうがずっと簡単です。ATOも出国前に済ませるよう案内しています。

出国後・ビザ失効後でないと申請が完了できない

申請は豪州にいる間に入力して保存できます。ただし提出できるのは、出国して有効なビザがなくなってからです。システムは内務省の出入国情報と照合するため、条件を満たすまでは先に進めません。

オーストラリア在住20年の経験から言うと、帰国直前の慌ただしさで失敗するパターンは主に次の2つです。

帰国前の落とし穴

・銀行口座を先に解約してしまう:受取口座がなくなり、海外送金の手配から始めることになる
・ファンドが複数あるのを把握していない:myGovからATOのオンラインサービスにつなぐと、自分名義のスーパー口座を一覧で確認でき、統合もできる。myGovにログインできるうちに確認しておく

口座をいつ解約するか、どの銀行を残すかは、銀行選びの記事も参考にしてください。

申請を放置するとどうなる?6ヶ月ルールと「未申告スーパー」

結論として、申請しなくてもお金が消えることはありません。ただし、一定期間が過ぎると保管先がATOに変わります。

6ヶ月を過ぎるとATOに移管される

出国やビザ失効から6ヶ月以上たってもDASPを申請していない場合、スーパーファンドは残高を「unclaimed super money(未申告スーパー)」としてATOへ移します。これがいわゆる「6ヶ月ルール」です。

移管後でも受け取れるが手続きが煩雑になる

ATOに移管されたスーパーも、DASPとして申請すれば受け取れます。税率も通常のDASPと同じです。ただし、どのファンドからいつ移されたのかを自分で追う必要があり、ファンドに直接申請するより確認の手間が増えがちです。

帰国・引越しの手続き全体を整理するときに、DASPもチェックリストに入れておきましょう。

よくある質問

何年も前に帰国したが今からでも申請できる?

申請できる可能性は高いです。6ヶ月を過ぎた残高はATOに移管されていますが、移管後もDASPとして請求できます。「○年以内」という期限については情報源によって説明が異なり、筆者はATOの一次情報で確認できませんでした。最新の条件はATOの公式サイトで確認してください。

複数のビザで働いていた場合の税率は?

一度でも417/462ビザで働き、その期間のスーパー積立がDASPに含まれていれば、支払い全体に65%がかかります。ワーホリ後に学生ビザで働いた分も、まとめて65%です。ワーホリだった時期がいつかは関係ありません(2026年9月時点)。

DASPを受け取ったら日本で何か手続きは必要?

豪州側の税金は、DASPの支払い時に差し引かれます。一方、日本での扱いは、受け取った時期や個人の状況によって変わる可能性があるため、この記事では断定しません。日本の税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

この記事のまとめ

・スーパーは自動では戻らない。一時ビザが失効して出国した方がDASPを申請して受け取る
・税率はワーホリ経験者が一律65%、それ以外の一時滞在者は35%(未課税要素は45%)。少額でも免税はない
・申請の入力は出国前に始め、書類の認証と受取口座の準備を済ませておく。6ヶ月を過ぎるとATOに移管される

本記事の内容は2026年9月時点の情報です。税率や手続きは変わることがあるため、申請前にATOの公式サイトで最新情報を確認してください。