タレント・小島慶子さんがオーストラリア移住を決めた理由
元TBSアナウンサーで、現在はタレントとして活躍中の小島慶子さんが3月29日、東京都内のファッション・イベントでのトークショーでオーストラリア・パースに移住したことを告白した。
小島さんは「生まれた場所であるオーストラリアのパースに一家で引っ越しました。昨年、夫が仕事を退職し、節目を迎えたので、せっかくだからと決めた」とオーストラリア移住を決めて経緯について語っている。
移住については同イベントで語られたことを引用すると以下の通りだ。
当初、私は及び腰で、バラバラに過ごす期間が増えると寂しいと言っていました。でも、夫が大丈夫だよって乗り気だったので、やってみました。夫はときには人に巻き込まれてみるのも楽しいです。
(パースには)父の転勤先で3歳まで暮らした。自分に縁があるし、のんびりした国でいいと思います。子供たちも『ママの生まれた町だから』って安心しているみたい
オーストラリアでの生活は、東京で手に入るものよりは少ないですが、不便もなく、海や山があって自然が豊か。あちらにいる間は執筆くらいしか仕事はないんですが、休みの日はビーチに行ったり、水族館や動物園にいったり、眺めのいいところにいったりしています。
オーストラリアは多文化政策でいろんな人種がいます。多文化社会の中に身を置いていると、変わっていることは当たり前。日本にいると『同じ』だと思い込みすぎて、お互いに窮屈になるけれど、そういう世の中がみんな生きやすいのかもしれないですね。
とオーストラリア移住生活を満喫しているようだ。
↑“故郷パース”と東京を往復する人気ラジオパーソナリティー、小島慶子さん
小島さんが住むパースってどんな街?
オーストラリア移住を叶えた小島さんの報道を受けて、パースに移住してみたい!と思った人もいることだろう。しかし、シドニーやメルボルンといった都市名は知っているけども、パースを知っている人というのはなかなかいないものだ。そこで、ここに、小島さんが移住したパースという街について紹介してみる。
パースは世界で最も美しい街!
Since opening Jan 16 + 3 million people visited @ElizabethQuay @FarEastConsortium @Ritz_Carlton @VitalPerth @Perth_City @wagovmedia pic.twitter.com/Qb813e0G22
— wagoEU (@wagoEU) 2016年10月7日
広大なオーストラリアの中でも最も大きい面積を誇る西オーストラリア州の州都がパース。スワンリバーのほとりにひらけた美しい街で、都市中心部にも豊かな自然が広がり、町並みは伝統的な良さと、近代的できらびやかな世界を併せ持っており、手付かずの豊かな自然と都会的センスが絶妙に調和した「世界で最も美しい都市」と評されることも多いという。近年は、オーストラリア国内の中でも最も経済成長の高い都市としても有名。郊外へと足を延ばせば、群青色の海と真っ白なビーチが広がり、すばらしい夕陽が望めるインド洋の美しさは感動的だというという。パースから日帰りで行ける観光スポットも目白押しで、パースから南へおよそ1時間のドライブでロッキンハムやマンジュラへ行けば、イルカと泳いだり、楽しそうに泳ぐイルカを見たり。すばらしい感動を体験できる。このようにパースは「住む」「働く」「遊ぶ」のすべてがそろった都市として人気が高い。
日本からのフライトは約14時間
世界の大都市の中でも珍しく清潔で美しい街・パースだが、日本からはシンガポールや香港での乗り継ぎでフライト時間は一番早いキャセイパシフィック航空を利用して約14時間となっている。シドニーやメルボルンのある東海岸とは反対の西海岸最大でオーストラリアでは4番目に人口の多い都市であることから、日本人在住者も多く、2013年時点での在留邦人者数は約8,000人となっている。
パースの都市経済は順調だが物価高
そんな美しく刺激的なパースという街の経済面はどうかといえば、パースのある西オーストラリア州は鉱物資源が豊富で、国際的な資源価格の急騰によって、近年、急激な経済成長を遂げた。そのため、州都パースは、豪州で最も「稼げる都市」として多くの国内在住者も移り住んだ。しかし、この資源バブル的な経済成長によって、インフレ率も上昇した。そのため、パースの物価はシドニーやメルボルンよりも高いというのが在住者の実感で、レストランでランチを食べるなら20ドルは必要といわれるほどだ。ただし、給与水準も他都市よりも高いので、一概に物価高=住みにくいというわけでもない。余談にはなるが、オーストラリアで鉱山業の仕事に就けば、年収10万ドル(約900万円)は堅いという現実もある。
小島慶子さんがもしパースで仕事を見つけるとしたら?
さて、オーストラリア・パースに移住した小島慶子さん。
仕事の際は家族をパースに残し、片道約14時間もかけて東京に単身で戻っているというから、相当の努力家なのだろう。そして、この「通勤」が移住後の一番の悩みのタネだとも思える。
そこで、誠におせっかいではあるが、小島さんがパースで働くとしたら、どれくらい稼げるのか? また、どのような仕事があるのかについて調べてみた。これは1つのモデルケースとなるので、オーストラリアに移住を考えている人も参考にしてもらいたい。
本業では年収1000万円以下に? オーストラリアのタレントは意外と薄給
さて、小島慶子さんといえば、ラジオのパーソナリティーとして歯に衣着せぬトークで人気だが、仮にオーストラリアのラジオ局のパーソナリティーとして働いた場合にはどうなるのか?
ここに参考資料として、オーストラリア放送協会(ABC)のホストたちの年収についてのリーク記事(↓動画)があるが、それによれば、ABCの人気番組「Q&A」や「Lateline」の司会を務めるトニー・ジョーンズ氏が最も給料が高く$355,789(約3200万円)という。
日本の芸能界と比べるとだいぶ薄給だ。
ラジオパーソナリティーでは、リチャード・グローバー氏の$290,000(約2600万円)が最高だという。また、女性の新進気鋭のアナウンサー、カリナ・カルヴァーリョで$140,000(約1100万円)、ABCブリスベンの朝の顔スティーブン・オースティンにいたっては手取り$45,000(約420万円)程度というから驚きだ。そこから考えると、仮に小島さんが日本での実績を持ってしても、新人としては1000万円以下になるのではないだろうか?
ちなみに、オーストラリアで芸能関連の仕事を斡旋している「Starecruitment」では、現在、タレントを募集しているということで、いかがですか、小島さん!?
時給は30ドル以上を狙うべき! パースで安月給は命取り!?
では、これまでのキャリアを捨て、イチからスタートする場合には、どんな仕事がパースにはあり、どれくらいの給与なのか。
以下のグラフは、オーストラリア・パースにおける一般的な時給のグラフだが、やはりパースは他都市に比べて時給が高い。
一般職の受付(Recptionist)で約$20、専門職となれば$30は下らないというわけだ。となれば、やはりこれまで日本でキャリアを積み重ねてきた小島さんの場合、時給$30以下では働くのはオススメできない。なにせ、パースはオーストラリアで最も物価の高い都市として知られており、年収5万ドル程度では、かなり生活は厳しいという状況だ。
ちなみに、以下はオーストラリアの職種別給料一覧表だ。1ドル=90円で比べてみると参考になる。
小島さんのようなタレント業は赤文字の部分に該当すると考えられる。
Median Hourly Rate by Job – Location: Perth, Western Australia (Australia)
Classification | Minimum | Mid Range | Maximum |
---|---|---|---|
Mining, Resources & Energy | $105,491 | $119,369 | $133,248 |
Consulting & Strategy | $93,955 | $106,380 | $118,806 |
Construction | $91,756 | $104,721 | $117,687 |
Engineering | $91,270 | $103,576 | $115,882 |
Information & Communication Technology | $86,941 | $98,714 | $110,487 |
Legal | $79,454 | $92,876 | $106,297 |
Healthcare & Medical | $78,549 | $87,526 | $96,504 |
Marketing & Communications | $76,360 | $85,935 | $95,510 |
Banking & Financial Services | $74,651 | $85,015 | $95,378 |
Human Resources & Recruitment | $74,161 | $83,983 | $93,805 |
Government & Defence | $75,139 | $83,815 | $92,491 |
Accounting | $73,265 | $82,959 | $92,652 |
Science & Technology | $72,956 | $82,647 | $92,338 |
Sales | $71,444 | $81,412 | $91,380 |
Insurance & Superannuation | $71,480 | $80,932 | $90,383 |
Advertising, Arts & Media | $66,503 | $74,160 | $81,818 |
Manufacturing, Transport & Logistics | $65,908 | $73,714 | $81,521 |
Design & Architecture | $63,544 | $72,334 | $81,123 |
Farming, Animals & Conservation | $63,911 | $72,179 | $80,447 |
Education & Training | $63,988 | $71,681 | $79,373 |
Real Estate & Property | $60,000 | $68,751 | $77,502 |
Community Services & Development | $59,082 | $65,310 | $71,539 |
Sport & Recreation | $57,110 | $62,884 | $68,657 |
Trades & Services | $55,536 | $62,845 | $70,154 |
Retail & Consumer Products | $51,283 | $57,972 | $64,662 |
Hospitality & Tourism | $51,342 | $57,255 | $63,168 |
Call Centre & Customer Service | $49,018 | $55,396 | $61,774 |
Administration & Office Support | $47,500 | $53,215 | $58,929 |
さらに、オーストラリア転職サイトの最大手「seek.com.au」で、日本人または日本語を必要とする仕事を検索したところ、612件がヒットした(こちらがその結果)。
これは、検索キーワードに「Japanese」と入力して検索する検索方法で、同条件でシドニーと比較するとかなり少ないことが分かる。
こうしたことを考えると、小島さんのオーストラリアに住みながら東京で働く(日本円を稼ぐ)というのは、案外悪い働き方ではないことが分かった。
がんばれ!小島さん!
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