オーストラリアで起業・独立開業を支援、助成金もくれるNEISとは?
オーストラリアで独立・起業は夢ではなく現実的な選択
海外在住者の間では近年、「日本食ブーム」や「COOL JAPAN」などのトレンドから、日本食レストランの開業や日本の伝統工芸を販売するなど、日本文化や日本の商材を武器に巨大な利益を享受する人が増えているという。
「起業」と聞くと、日本国内では未だに“脱サラ=会社からの逃避”のようなイメージをがあるせいか、起業に二の足を踏んでいる人が多いようだ。というのも、日本では全雇用者の約33%(3人に1人)が大企業に勤めているため、会社を辞めてまで起業することに慎重派が多いのだという。
また、日本国内でも起業を成功させるのは難しいというのに、海外ならなおさら困難だと感じるのは当然のこと。
しかし、オーストラリアの場合は企業に就職するよりも個人で事業を立ち上げる人の割合が日本よりも高く、起業は特別なことでも何でもない。
例えば、2014年にオーストラリアで登録された新規事業の内、なんと57%が個人事業主による登録だったという統計がある。
シドニーやメルボルン、ブリスベンなどの大都市はいざ知らず、少し郊外に行けば大自然が広がり、ビジネス街が少ないオーストラリアでは、その地域経済の70~80%を個人事業主が支えていたりする。
オーストラリアで個人事業主として起業するのは非常に簡単なことで、政府のウェブサイトからABN(Australian Business Number:豪州事業者登録番号)を登録すれば、ひとまずは個人事業主としてすぐに活動が可能だ。
そこで、今回はオーストラリアの個人事業主を支援している社会福祉法人「Mission Australia」が提供している「NEISプログラム」について紹介する。
「NEISプログラム」は、個人事業主に対して適切な教育とサポートを起業のプロが指南してくれる無償プログラムであり、その上、助成金も受け取ることができるプログラムだ。
すでに個人事業主として活動している人でも利用できるのが特徴だ。
このプログラムに登録して、現地での副業をメインの仕事にする人もいる。
スタートアップを支援してくれるNEISプログラムとは?
NEISとは New Enterprise Incentive Schemeの略で、日本語に訳せば「新規事業奨励制度」ということになる。NEISは個人事業主を対象としており、政府の社会保障機関「Centrelink」から独立したプログラムである。プログラムを受講するにあたっての費用は一切必要なく、申請もインターネットを介して行うことができる。
主に、起業するにあたってのプランなどを教育しつつ、独立できるまでにサポートしてくれる内容で、80%以上の受講者が受講後15か月以内になんらかのビジネスをスタートさせているという。
NEISの主なトレーニング
以下は、NEISプログラムの主なトレーニング内容。同プログラムを受講するとオーストラリア国内でビジネスを行う上で必要となる以下のようなこと教わる。
- 商機についてのリサーチ
- 設立および法的要件について
- 財務計画の準備
- 市場に向けてのプロモーション方法について
- 事業計画の立て方について
- 業界分析
- 資金調達方法について
- 財務活動報告
- 市場のプロファイリング
- 特定市場における消費者行動分析
これらのことを学びつつMentor(顧問)が、受講者が企画するビジネスについて、さまざまなアドバイスを直接指導してくれる。
【受講者条件】
NEISプログラムは誰でも受講できるわけではなく、申し込み後に面接を受けた後に受講できるかどうかが決まる。
また、受講条件は以下に該当する人となっている。
- オーストラリア永住権を保持している
- すでにビジネスを始めている、またはアイデアがある
- TAFEなどで「Certificate IV in Business (Small Business Management) 」を修了している
※ただし、すでに事業をスタートさせている人の場合は、ⅲの条件を満たしていなくてもプログラムに参加することが可能な場合がある。
NEISプログラムの助成金制度
NEISプログラムを受講すると、センターリンクより手当(起業助成金)を受け取ることができる。NEIS情勢金の金額は、公式ホームページによると、センターリンクが就業プログラムに参加している人に助成する「New Start Allowance(新生活給付金)とほぼ同額」とされているが、個々の収入の状況によって異なるので、気になる人はMission Australiaに直接聞いてみると良いだろう。
NEISプログラムのウェブサイト:http://www.missionaustralianeis.com.au/about.htm
オーストラリアで起業するのも日本で起業するのも心構えは同じ。まずは情報収集を!
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