2020年までに中小企業が行うべきオフィスのデジタル変革とは?
オーストラリアも日本も地元の経済を支えているのは、いつの世も「中小企業」だ。
中小企業が元気でないと地域の活性化も望めす、ひいては国家経済へも多大な影響を及ぼしかねない。
そんな時代において、企業における「デジタル化」の波はもはや逃れようもないが、日本の企業ではいまだに「ペーパー」を公式に利用しているところが多い。
例えば、クレジットカード1枚を申し込むのにも「本人確認書類」というものが必要となり、IDのコピーを郵送することになっている。オーストラリアでは、本人確認書類などもほとんどがPDFや画像でメールすることが日常的となっている。
その他、市役所などでの公的サービスも主にペーパーが主体のほか、会社の稟議書などもまだまだ書類に判子というのが日本の社会だ。
しかし、近い将来人工知能に取って代わられる仕事が出てくると言われているこのご時世の中において、この紙文化は時代錯誤としか言いようがない。
そこで、今回はキヤノン・オーストラリのレポートをもとに、2020年までにオーストラリアのビジネスがいかにデジタル変革されていくかについて紹介するので、日本の企業のCレベル(CEO、CFO、COOなど企業の首脳)の人は真摯に参考にしてもらいたい。
デジタル変革の大きな波が全業種を覆う
インターネットデータセンターによれば、各産業のトップシェアを誇る企業の3分の1は2020年までに、第3プラットフォーム(ソーシャルメディアやビッグデータ、クラウド、スマートデバイスなど)を利用している競合他社によってその地位を脅かされると言われている。
これはカスタマーエクスペリエンスや効率性の向上、生産性の増加が見込めるからだ。
このような状況から、オーストラリアの企業のCEOはどのようなことを懸念しているのか。
中小および大企業のCレベルの10人に1人が、顧客の購買パターンの変化や新しいビジネスモデルを挙げる一方で、その3人に1人がビジネスオペレーションにおけるコスト増大への懸念を持っている。
中小企業は何を求めているのか?
- 社員250人以上の企業の場合:50%の企業がビジネスプロセスの最適化と生産性向上のためのIT運用を模索している。
- 社員250人未満の企業の場合:47%の企業がITを生産性向上のためのツールとしてだけではなく、新しいビジネスモデルの創出や顧客と遣り取りをするための機会の場の創出、その他新しいマーケットの広がりのためにITを利用している。
※ここでは社員250名以下の起業を中小企業とする。
豪州の中小企業におけるデジタル大変革とは?
- 20%の中小企業がITを駆使して、新たなビジネスチャンスを開拓し、新規市場への参入していっています。数の上では、そうした中小企業は社員250名以上の大企業と比較した場合、半分以下となっている。
- 中小企業の20%がICTを活用し、ビジネスを変化させ新たなワークフローや顧客接点やオペレーションモデルに役立てています。これは大企業がカウンターパートの企業に期待していること類似している。
- 10%の中小企業はICTが大企業を凌駕し、中小企業の考えや仕事や構築を改めるのに役立つと語っている。この割合は大企業の予測をはるかに上回る高い割合を誇っている。
- 20%の中小企業が単なるビジネスツールとしてICTを活用している。これは大企業のカウンターパート企業のそれとほぼ同じ割合と言える。
デジタル文書に対する準備はどれくらいできているか?
オーストラリアの企業では2016年現在、「紙vsデジタル」の割合でどちらがビジネス文書で利用されているかといえば、41vs59と拮抗している。しかし、2020年には78%がデジタルに移行すると予測されている。
仕事のプロセス上、文書がベースとなっている企業が最も重要視しているのは何か?
ビジネスプロセスまたはワークフローが文書ベースで行われる場合、最も重要なのは再構築、デジタル化、オートメーション化のどれか?という質問には、やはり生産の即時性と利益の最大化に向けてビジネスを修正することが明らかに重要視されている。
いかがだっただろうか?
キヤノンオーストラリアではこのようにデジタル化へ移行を加速させるべくさまざまなサービスを行っているが、肝心の企業側のマインドやシステムが変革できなければ、今後、どの産業においても遅れを取るのは必死だ。
日本企業における2020年は、新たなフェーズを迎えることになるだろう。
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